今回は、リクエストが有りましたので、「更新拒絶」と「解約申入れ」についてお伝えしたいと思います。こちらのテーマは以前にも取り上げておりましたが、更に今回はわかりやすく説明してみたいと思います。
なお、「更新拒絶」とは、もう更新しないですよ、という意味で、契約の解除と合わせて借主さんに退去してもらう手続きになります。
法律は借主さんの保護があつい
現在の法律、特に建物の賃貸借契約に適用されるのが「借地借家法」となります。この法律は、基本的に借主さんを保護するための法律です。これは、『住居を失うということは国民にとって一大事だ!』ということで制定されたからなのです。
更新拒絶・契約の解除には「正当事由」が必要
その「借地借家法」では、更新拒絶や、契約の解除をオーナー様からする場合には「正当事由」が必要と定めています。つまり、単に「出ていってね」というだけでは、借主さんに退去してもらうことはできないのです。しかも、この「正当事由」がかなり厳しいのが現実なんです。
正当事由って?
正当事由を誤解を恐れずにいえば、「退去をお願いしても、仕方ないよね」と言えるだけの理由、という意味になります。以下は、よくあるオーナー様からのご相談です。
建物の老朽化
「建物が古くて・・・・」という場合。これが理由となるのは「倒壊の危険性がある場合」や「行政から危険建築物として指導されている」といったレベルのものになります。したがって、まだ使おうと思えば使える程度の場合には「老朽化」は正当事由として認められにくいのです。
家族が使う
「家族が使うんですよ」という場合。こちらの理由も、単に「オーナー様の家族が使うから」ということだけでは正当事由としては難しいところです。この場合には、貸主さんと借主さんとの間での経済的な余裕等も考慮されます。
引越し費用・立ち退き料
「正当事由」には立ち退き料や、引越し料の負担が考慮されます。「ここまで出すのだから、退去しても困らないよね」と言えれば、正当事由が認められやすくなります。
いかがでしたでしょうか。借主さんに退去していただくのは結構難しいものなんですね。また退去をお願いするのは少なくとも半年前に通知しなければならないこともお忘れなく。
〉〉〉Vol.20へ